特発性側湾症の分類とコブ角の秘密

すべての側湾症の80%を占める特発性側湾症は
診断の時、わかりやすいように更にいろいろに分類されて
呼ばれます。

発症の年齢による分類や、湾曲カーブの形状による分類なども
ありますが、一番重要で今後の治療に影響するため大切なのが
湾曲カーブの度合いによる分類です。

「コブ角」など側湾症に興味を持った人なら聞いたことがあると
思いますが、それが度合いによる分類に関係しています。

発症年齢による分類は統計的意味合いで使用します。
3歳以下の幼児にまれに見られる特発性側湾症を乳幼児期側湾症と呼び
3歳から9歳の学童に見られる側湾症を学童期側湾症と言います。
9歳から18歳の思春期頃に発症する側湾症を思春期側湾症と呼び
これがもっとも一般的で特発性側湾症の中でも80%を占めます。
女性に多く見られることは以前の記事「側湾症になる確率と統計」で述べたとおりです。

成人性側弯この他にも成人になってから
発見された側湾症を成人期側湾症と呼び
おおくは思春期側湾症が
気付かれずにいたものですが

中には成人期を過ぎ
脊椎の成熟が過ぎてから発症する
まれなケースもあり
変性側湾症とも呼ばれています。

老後に骨粗鬆症や
骨の弱体化と共に発症する側湾症は
老人性側湾症と呼び
変性側湾症の一種です。
老人性側湾症は腰痛と深い関わりがある側湾症として知られています。

側湾症は横に背骨が湾曲してしまう病気ですが
その湾曲の曲がり具合、つまり湾曲のカーブも
いろいろな形状があるわけです。

背骨はうえから頚椎、胸椎、そして腰椎と別れているのですが
(詳しくは前の記事「背骨の構造」を参照してください。)
胸椎の位置に湾曲がおこることがもっとも多く胸椎側湾症と呼びます。
胸椎側湾症は肋骨のねじれが目立ち、片方の肩甲骨が突出して見えるので
もっとも発見されやすい側湾症です。
心臓との位置配置が関係するのか統計的に右側にカーブを描くことが多いのですが
もちろんたまに左側にカーブを描くものもあります。

湾曲が腰椎の部分におこる側湾症は腰椎側湾症と呼ばれ
他の側湾症に比べて柔軟性がなく見た目にわかりずらいので
発見が遅れやすいのが特徴です。

胸椎と腰椎の両方にまたがり湾曲がおこるものもあり
中にはS字状に胸椎と腰椎がバランスをとって曲がる側湾症もあり
その場合一見しただけでは胴が短く見えるだけで
目立ちにくいものもあります。

特発性側湾症の診断では、その後の治療に重要な要素として
湾曲したカーブの度合いを計測し分類します。
カーブの度合いはレントゲン写真をもとに計測するので
医者に診てもらうと必ずレントゲン撮影をまずさせられます。

カーブの度合いはコブ角測定法によりレントゲン写真上で計測し
(コブ角測定法の測り方はあとで詳しく説明します)
カーブが10度以下は自然に治るものがほとんどなので側湾症とは診断せず
医者は経過観察のほかは特になにもしません。

カーブが10度から25度の間にあるものは軽度側湾症と呼び
積極的に経過観察をしながらその後の治療法を考察します。

カーブが25度から45度の間にあるものは中度側湾症と呼び
装具の着用をさせながら手術する必要性がないか考察するため
経過観察を続けます。

そしてカーブが45度以上のものは重度側湾症と呼び
患者さんの将来を考慮して一般的に手術を薦めます。
(各患者の治療方針は角度だけで決められるわけではありません。
詳しくはあとで解説します。)

実際のところ40度を超える重度の側湾症を発症する確率は0.1%以下です。
つまり側湾症と診断された1000人のうち999人は40度に至らず
手術の必要もありません。

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