特発性側湾症の一般的治療法とその解説

ここではあなたが思春期特発性側湾症と医者から診断された場合
これからどのくらいの月日をかけてどのような治療をするのか
治療の時に考慮する各種の要因はどんなものか
治療の順序なども含めて詳しく解説してみたいと思います。


特発性側湾症と診断されても実は人により湾曲の程度の差や
今後の悪化のリスクの差など千差万別です。
更に湾曲が急激に悪化するタイプのものや
ほとんど悪化せずに自然に進行が止まるもの
ある程度進行してから成人したときに止まるものなど
年齢なども合わせて個人差が激しいのが特発性側湾症です。


まず医者が特発性側湾症と診断を下すとき、
医者はあなたの年齢、性別、脊柱の湾曲の位置、湾曲の度合い、
そしてあなたが他の病気を併発していないかなどを考慮にいれ
その後の治療法を決定します。

現在のところ世界中の医者が何世紀にもわたる研究の末
本当に効果のあるとされた特発性側湾症の治療法は
大別して保存療法と手術療法だけです。

実は厳密に言うとこれらは治療ではなく対処療法なのですが
それはあとで説明したいと思います。

保存療法とはつまりなってしまった特発性側湾症を治すことはできないが、
湾曲の悪化をできるだけ抑え、手術に至らないようにする治療の総称で
主に経過観察による湾曲進行のタイプの判別と装具(コルセット)による
湾曲の進行を抑える方法とに別れます。

もしあなたが軽度の側湾症(コブ角が10~25度)と診断された場合
軽度の側湾症患者の85%は湾曲が進行せず
特に生活にも支障をきたすことがないので
まずは様子を見て湾曲の進行のスピードと角度を確認しながら
悪化するタイプかどうかの判別をします。

実はこの状態、診断は下されても何もしてもらえない状態、
が一番患者さんやその親にとって不満な時期で
この時の医者の不注意な言葉で医療不信を高めてしまう時期でもあります。

しかし実際のところ80~85%の患者さんは特に湾曲が悪化することもなく
痛みも何の症状もないので、そのまま放置して忘れ去られます。
例えば1000人特発性側湾症と診断された患者さんがいた場合
その中の800人から850人は特に何もしなくても湾曲は進行せず
またまれに自然に改善してしまう人もいるわけです。

ですから医者もついつい患者さんや親の不安を汲み取るのを忘れ
特に問題ないとそっけなく患者を帰してしまいます。
それは医者も人間なのでいたしかたないことですが
それほど軽度の側湾症というのは治る割合が高く
特に心配するほどのものでもないということも理解してください。

あなたの側湾症の湾曲が1000人中の150人に入り25度を超えてしまうと
背中の片方の肩甲骨が飛び出て見えたり、肩の高さが左右違って見えたり
左右の腰の高さが違うなどの変化が見えるようになってきます。

この時はじめて医者に行く患者さんも多いのですが、
25度を超える湾曲はその後更に悪化する確率とともに、
特に女性の場合、見た目への影響が大きいので医者も積極的に
装具(コルセット)などを利用して側弯の進行を抑えるよう勧めます。

装具が実際どの程度、湾曲の進行を抑えるのに効果があるのかは
医者の間でも論議があるのですが、一部の研究の結果では
約60~70%の患者の間で湾曲の進行を抑えることに成功したと
出ているので、他のどの治療法よりも効果がしっかり実証された
唯一の治療法です。

普通湾曲の進行は成長期の骨の成長とともに悪化するので
装具(コルセット)は湾曲が25度を超えた時期から骨の成長が止まる
20歳ぐらいまで続けられます。

その間湾曲のさらなる経過観察とともに、成長する体に合わせて
装具(コルセット)も調節しなければならないので患者さんと親にかかる負担は
かなり大変なものになります。

実際に装具による治療も効果がなく湾曲の角度が40度を超えてしまう患者の数は
全側湾症患者の内0.1%ぐらいなので、たとえば上の1000人中一人、
つまり25度を超えてしまった患者150人の内一人だけが40度を越す重度の側湾症になるわけです。

つまりこの150人のうち149人は湾曲がそこまで悪化せず、
その後手術も必要なく普通に生活できるわけです。

よくこの状態の患者さんが整体や他の療法で診てもらい
効果があったと彼らの実証に使われるのですが
その辺のことはあとで詳しく述べます。

不幸にもあなたが1000人に一人の重度の側湾症になってしまった場合
その後も湾曲は進行し続け、将来的に痛みや不自由さを起こし
見た目もかなり歪みが目立ち生活に支障をきたすことが考えられるので
医者は若い患者さん、特に女性の見た目をよくし明るい未来を送ってもらうために
手術を検討します。

手術の目的は側湾症の病気自体を治すことではなく
重度の湾曲によって起こると予想される合併症の予防や
患者さんの見た目を改善することが主な目的です。

実際アメリカでは手術後に俳優やモデルになった人もいるわけで
そういった見た目の改善に手術は最高の効果を発揮します。

特発性側湾症という病気は肺炎や腫瘍などのように
薬や手術で治して終わりというようなものではなく
どちらかと言えば糖尿病や高血圧のように一生付き合っていく病気です。

現代のどんな治療法でも側湾症を完治させることはできないということを
理解しておいて下さい。

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